プラスチックの詰め物は二次虫歯になりやすい?【歯科医師が解説】原因と寿命、後悔しないための対策

      2025/11/14

「虫歯治療でプラスチックの詰め物を入れたけれど、将来また虫歯にならないか不安…」

「これから虫歯治療を受けるけど、銀歯とプラスチック、セラミックのどれが良いのか分からない」

上記のようなお悩みをお持ちではありませんか。

この記事では、歯科治療で広く使われるプラスチックの詰め物(コンポジットレジン)と、治療後に再び虫歯になってしまう「二次虫歯」の関係について、専門家の視点から詳しく解説します。

この記事を読めば、二次虫歯の本当の原因やリスクを正しく理解し、大切な歯を長く健康に保つための具体的な対策を知ることができます。

 

プラスチックの詰め物は経年劣化により二次虫歯になりやすい

この記事では保険適用で使われるプラスチック(コンポジットレジン)と、治療後に再発する「二次虫歯」について、歯科医師の視点から分かりやすく解説します。 

 

治療した歯が「二次虫歯」になる理由とは?

二次虫歯は、プラスチックに限らず、銀歯などの詰め物・被せ物でも起こりうる現象です。

その根本的な原因は、「修復物(詰め物・被せ物)と歯の間に生じる微細な隙間」にあります。

治療した歯は、人工物である修復物と接着剤で一体化していますが、時間の経過とともに接着剤が劣化したり、修復物自体が変形したりすることで、目に見えない隙間ができてしまうのです。

その隙間に口腔内の細菌が侵入し、内部で虫歯を再発させてしまう。これが二次虫歯の基本的なメカニズムです。

 

二次虫歯のリスクを激減させるには?素材選びとセルフケアが鍵

二次虫歯は「予防可能な問題」です 。

リスクを最小限に抑え、治療した歯を長持ちさせるためには、2つの要素が非常に重要になります。

それは、「最適な素材を選ぶこと」と、「日々の適切なセルフケアを継続すること」です。

この2つの両輪が揃って初めて、二次虫歯のリスクを効果的に管理できるのです。

 

ポイント1:他の詰め物と比較して最適な素材を選ぶ

二次虫歯のリスクを考える上で、素材選びは非常に重要な要素です。

ご自身のライフスタイルや価値観、そしてお口の状態に合わせて、後悔のない選択をすることが大切になります。

ここでは、保険適用の範囲と自費診療の範囲で、代表的な素材を比較してみましょう。

 

保険適用|プラスチック vs 銀歯(メタルインレー)

保険診療で最も一般的な選択肢が、プラスチック(コンポジットレジン)と銀歯(メタルインレー)です。

それぞれにメリット・デメリットがあり、特に二次虫歯のリスクには大きな違いが現れます。

比較項目

プラスチック (CR)

銀歯 (メタルインレー)

審美性

歯の色に近く目立ちにくい

金属色が目立つ

治療期間

多くの場合1日で完了

型取りが必要で最短2回

歯を削る量

最小限で済むことが多い

ある程度の量を削る必要あり

二次虫歯リスク

経年劣化・収縮のリスク

金属の劣化・変形で隙間ができやすい

費用

保険適用で安価

保険適用で安価

自費診療|プラスチック vs セラミック

長期的な安定性や美しさを求める場合、自費診療のセラミックが優れた選択肢となります。

セラミックは表面が滑らかでプラークが付着しにくく、素材自体が劣化・変色しないため、二次虫歯のリスクが極めて低いのが特徴です 。

比較項目

プラスチック (CR)

セラミック

審美性

自然な白さで周囲の歯と調和)

高い透明感・変色しにくい

耐久性

通常の咬合力に十分対応

長期間の使用に適し摩耗に強い

二次虫歯リスク

適切なケアで低リスク

より低リスク

費用

約2,500円(税込)/1本

約88,000円(税込)/1本〜

特徴

即日治療が可能・保険適用

審美性・耐久性が高い自費治療

たかぎ歯科クリニックでは、審美性と耐久性に優れたe-maxやジルコニアなどのセラミックを取り扱っており、患者様のご希望に合わせた最適な治療をご提案しています 。

 

ポイント2:二次虫歯を防ぐ毎日のセルフケア術

どんなに精度の高い治療を受けても、日々のケアを怠ってしまっては二次虫歯のリスクが高まります。

以下の点を意識して、セルフケアの質を高めましょう。

  • 詰め物の境目を丁寧に磨く: 歯ブラシの毛先を使い、詰め物とご自身の歯の境目を意識して優しく磨くことが重要です。
  • デンタルフロス・歯間ブラシを毎日使う: 歯と歯の間のプラークは、歯ブラシだけでは約6割しか除去できません。フロスや歯間ブラシの併用は必須です。
  • フッ化物配合歯磨剤を活用する: フッ素には歯質を強化し、虫歯菌の活動を抑制する効果があります。
  • 糖分の多い間食を控える: お口の中が酸性になる時間を減らすことが、虫歯予防の基本となります。

 

もし二次虫歯になってしまったら?進行度別の治療法

二次虫歯は詰め物の下で静かに進行するため、痛みなどの自覚症状が出たときには、すでに大きく進行しているケースが少なくありません。

だからこそ、定期検診による早期発見が非常に重要です。

万が一、二次虫歯が見つかった場合の治療法は、その進行度によって異なります。

 

軽度の場合:詰め物のやり直し(再充填)

虫歯の範囲が比較的小さく、詰め物の周囲に限局している場合は、古い詰め物と虫歯の部分だけを除去し、再度プラスチックなどで詰め直す「再充填」を行います。

ただし、治療を繰り返すたびに歯を削る必要があり、歯の寿命を少しずつ縮めてしまうリスクがあることを知っておく必要があります。

 

中等度〜重度の場合:より大きな詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)

虫歯が内部で大きく広がってしまっている場合は、再充填では対応できません。

その際は、歯の型取りを行い、より大きな詰め物(インレー)や、歯全体を覆う被せ物(クラウン)で修復する必要があります。

治療がより大掛かりになり、費用や期間も多くかかるため、そうなる前に発見・対処することがいかに大切かお分かりいただけるかと思います。

 

プラスチックの詰め物と二次虫歯に関するQ&A

ここでは、患者様からよくいただくご質問にお答えします。

Q. 治療した歯が痛む・しみるのは二次虫歯のサインですか?

治療した歯に痛みやしみるといった症状が出た場合、二次虫歯の可能性は確かに考えられます。

しかし、知覚過敏や、噛み合わせの力が強くかかることによる歯根膜の炎症など、他の原因も否定できません。

自己判断はせず、まずはかかりつけの歯科医院で正確な診断を受けることが最も重要です。

レントゲン撮影などで詳しく調べることで、原因を特定し、適切な処置を受けることができます。

 

【まとめ】二次虫歯を防ぐ最善策は「信頼できる歯科医師」との出会い

プラスチックの詰め物は、審美性に優れ、歯を削る量も少なく済む優れた治療法です。

その一方で、材料の特性上、二次虫歯のリスクも持ち合わせています。

しかし、そのリスクは歯科医師の精密な技術と患者様の適切なセルフケア、そして定期的なプロのメンテナンスによって、十分にコントロールすることが可能です。

二次虫歯を繰り返し、将来ご自身の歯を失うことのないようにするためには、目先の費用だけでなく、長期的な視点で治療法を選択することが大切です。

そして何より、精密な治療を提供し、治療後もあなたの口腔内の健康を長期にわたってサポートしてくれる「信頼できるパートナー」としての歯科医院を見つけることが、最善の策と言えるでしょう。

大阪府枚方市樟葉にあるたかぎ歯科クリニックでは、患者様一人ひとりの不安に寄り添い、精密な検査と丁寧なカウンセリングを通じて、最適な治療計画をご提案しています。

詰め物のことでお悩みの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

 



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