味覚障害は歯科で治る?口の中が原因の味覚障害について
2025/12/20
こんにちは、枚方市樟葉のたかぎ歯科クリニックです。
「最近、食事が美味しくない…」
「口の中にいつも苦い味や金属の味がする…」
もしあなたが今、このように感じているとしたら、それは「味覚障害」かもしれません。
味が分からなくなる、特定の味だけがしない、口の中に不快な味がする...。
味覚障害は、食の楽しみを奪い、日々の生活の質(QOL)を大きく低下させてしまう深刻な問題です。
「味覚障害=耳鼻咽喉科」というイメージが強いかもしれませんが、実は、味覚障害の原因が「お口の中」にある可能性もあります。
今回は、味覚障害と歯科の関係、そして歯科医院でできる味覚改善の治療法について、詳しく解説します。
味覚障害とは?〜「味が薄い」だけではない味覚障害の種類〜
味覚障害とは、味を感じる機能が低下したり、本来とは異なる味を感じたりする状態を指します。
症状は人それぞれで、主に以下の種類に分けられます。
味覚減退・脱失
味の感じ方が薄くなる、または全く感じなくなる。
自発性異常味覚(異味症)
何も食べていないのに、常に苦味、塩味、鉄のような金属味などを感じる。
悪味症
食べたものが、不快な味(腐ったような味など)に感じられる。
解離性味覚障害
特定の味(甘味だけ、塩味だけなど)だけが分からなくなる。
特に、「異味症」や「悪味症」といった不快な味の症状は、お口の中のトラブルが原因となっていることが多くあります。
なぜ歯科で味覚障害が起こるの?「口の中の原因」を徹底解説
味覚は、舌の表面にある味蕾(みらい)という小さな器官がキャッチし、神経を通じて脳に伝えることで成立します。
この味蕾や、味を運ぶ環境(唾液など)にトラブルが生じると、味覚障害が発生します。
歯科領域で味覚障害を引き起こす主な原因は、以下の4つです。
1. 重度の「歯周病」による異味症
「口の中に常に苦い味がする」「鉄のような嫌な味がする」といった症状は、進行した歯周病が原因かもしれません。
膿(うみ)の味
歯周病が悪化すると、歯茎から膿や血液が排出されます。
これが口内に広がり、不快な苦味や塩味、生臭さとして感じられます。
口臭
歯周病菌が出すガスが味覚に影響を与え、不快な味として認識されることがあります。
歯周病が原因の場合、歯科医院で歯周病治療を行い、口内の清掃状態を改善し、膿の排出を止めることで、味覚は劇的に改善に向かいます。
2. 「舌苔(ぜったい)」による味孔の閉鎖
舌の表面には、舌の細胞や食べかす、細菌などが付着して白や黄色に苔状になる「舌苔」が付着することがあります。
舌苔が厚く付着しすぎると、味を感じる味蕾の入り口である味孔(みこう)が塞がれてしまいます。
これにより、味物質が味蕾に届かなくなり、味覚減退を引き起こします。
口臭を気にするあまり、強く舌を磨きすぎる方もいますが、これは味蕾を傷つけ、味覚障害を悪化させる原因になります。
歯科医院では、適切な舌清掃の指導や、舌苔の状態に合わせた専門的なクリーニングを行います。
3. 「ドライマウス(口腔乾燥症)」による唾液機能の低下
唾液は、味物質を溶かし、味蕾まで運ぶという味覚にとって非常に重要な役割を担っています。
唾液の量が減り、口の中が乾燥する「ドライマウス」になると、味物質がうまく溶けず、味蕾まで届かなくなってしまいます。
加齢、ストレス、喫煙、特定の薬の副作用、糖尿病などの全身疾患などが原因で唾液が減少します。
口の渇きだけでなく、粘膜の痛み、口臭、そして味覚減退を引き起こします。
当院では、唾液腺マッサージの指導や保湿剤の使用、原因となる全身疾患との連携など、ドライマウスに対する総合的なアプローチを行います。
4. 「不適合な金属の詰め物・被せ物」によるガルバニー電流
お口の中に、金、銀、パラジウムなどの異種の金属製の詰め物や被せ物が入っている場合、これらが接触したり、唾液を介して電気的な接触が起きたりすることで、微弱な電流(ガルバニー電流)が発生することがあります。
このガルバニー電流が、舌や粘膜に刺激を与え、金属味やピリピリとした不快な味(異味症)を引き起こすことがあります。
また、金属アレルギーの原因にもなり得ます。
この場合、原因となっている金属製の詰め物・被せ物を撤去し、セラミックなどの生体親和性の高いメタルフリー素材に交換することで、味覚が改善する例が多く見られます。
これは、審美治療の一環としても非常に有効な治療法です。
全身的原因と当院の連携
もちろん、味覚障害の原因は歯科領域だけではありません。全身の病気や薬の副作用なども考えられます。
亜鉛欠乏症
味覚細胞の代謝に不可欠な亜鉛が不足することで、味蕾の機能が低下します。多くの場合、亜鉛製剤の補充が必要になります。
薬剤性味覚障害
降圧剤、抗菌薬、抗がん剤など、特定の薬の副作用で味覚障害が起こることがあります。
神経損傷
顔面神経などの味覚を伝える神経が損傷している場合。
【当院の治療メニュー】味覚改善に繋がる3つのアプローチ
枚方市樟葉のたかぎ歯科クリニックでは、予防歯科、審美治療、ホワイトニングに力を入れています。
これらのメニューは、味覚障害の改善にも直結しています。
1. 徹底した「予防歯科」による口内環境の改善
味覚障害の最大の原因の一つである歯周病や舌苔を改善します。
プロフェッショナルクリーニング
歯石や歯周ポケット内の細菌を徹底的に除去し、膿の排出を止めます。
ミネラルパック・フッ素コーティング
歯質を強化し、虫歯リスクを低減。口内環境全体を健全化します。
舌苔クリーニング指導
味蕾を傷つけない、安全かつ効果的な舌の清掃方法を指導します。
【改善される味覚障害】 歯周病による異味症(苦味、鉄味)、舌苔による味覚減退。
2. 「審美治療」によるメタルフリー化
ガルバニー電流による金属味や不快な異味症を根本から解消します。
現在お口に入っている金属の詰め物・被せ物を、セラミックなどの生体親和性の高い素材に交換します。
金属アレルギーのリスクも同時に排除します。
【改善される味覚障害】 金属の詰め物による異味症(金属味)。
3. 「エナメルトリートメント」による舌触りの改善
当院独自のエナメルトリートメントは、歯の表面のミクロな凹みをハイドロキシアパタイトで埋めてツルツルに磨き上げます。
歯の表面がなめらかになることで、舌が触れた時の不快感が減り、清潔な状態が保ちやすくなります。
これは、間接的に口腔乾燥や舌苔の予防にもつながります。
【期待できる効果】 口腔内の不快感の軽減、審美性の向上。
【当院の治療メニュー】味覚改善のためのナビゲーション
| あなたのお悩みは? | 疑われる原因 | おすすめのメニュー |
|---|---|---|
口の中がいつも苦い、生臭い、鉄の味がする |
進行した歯周病、膿の排出 |
予防歯科(徹底した歯周病治療) |
味が薄くなった、よく分からない |
舌苔の付着、ドライマウス(唾液不足) |
予防歯科(プロフェッショナルクリーニング+舌清掃指導) |
口の中に常に金属のような嫌な味がする |
異種金属の詰め物・被せ物、ガルバニー電流 |
審美治療(メタルフリー化・セラミック交換) |
口が乾いてネバつく、味がしにくい |
ドライマウス(口腔乾燥症) |
予防歯科(唾液腺マッサージ指導+ミネラルパック) |
味覚障害の早期改善のために〜まずは歯科へご相談ください〜
味がしない、変な味がするという症状は、「体が発するSOSのサイン」です。
放置すると、食欲不振、栄養不足、さらには生活習慣病(塩分・糖分の過剰摂取)につながる危険性もあります。
「味覚障害はどこに行けばいいか分からない」と悩んでいる方も多いと思いますが、まずはお口の中の原因をチェックするために、お気軽に当院にご相談ください。
この記事の著者 高木 一徳
医療法人たかぎ歯科クリニック 院長
歯学博士|大阪歯科大学 卒業
大阪歯科大学大学院にて補綴・顎関節症を研究後、京都市の歯科医院で多数の患者を診療。
「悪くなってから治す」の繰り返しを変えたいという思いから、2005年に予防を重視した当院を開業。
現在はワンコインホワイトニングや審美治療にも注力し、年齢を問わず美しい口元づくりをサポートしている。
スタッフと共に学び続け、より良い治療とホスピタリティ向上に努めている。
経歴
平成7年 大阪歯科大学 卒業
平成11年 大阪歯科大学大学院 修了(京都市の歯科医院で勤務)
平成12年 大阪歯科大学欠損歯列補綴咬合学講座 講師
平成17年 たかぎ歯科クリニック 開業
所属学会
日本補綴歯科学会
日本顎関節学会
日本審美歯科学会
抗加齢歯科医学研究会
ドライマウス研究会
医療法人たかぎ歯科クリニック:https://www.takagi-dc.jp/
〒573-1121 大阪府枚方市楠葉花園町15-1 くずはモール本館1F
電話:072-855-4618
交通アクセス
電車でお越しの方:
京阪本線「樟葉駅」改札出て正面のくずはモール本館へ
